エステサロンの原点回帰
美容業界は、この10年で大きく様変わりしました。
特に、美容医療の存在は年々身近になり、施術のバリエーションも増え、価格も下がり、一般的に利用する時代となりました。
私がエステサロンを開業した16年ほど前、
当時の美容医療といえば、テレビCMで流れていた「〇須クリニック!」や
「○○美容外科~♪」といった数えるほどの有名クリニックが中心でした。
施術内容も限られ、今日のように身近に感じるような世界ではなかった記憶があります。
今では
ヒアルロン酸、糸リフト、レーザー、HIFU…。
施術メニューは豊富で、安全性も高まり、しかも20代の若い層が医療脱毛から「ちょっとやってみようかな」と思えるほど、手軽に受けられる時代になりました。
“美容医療=特別”という概念は薄れ、日常の延長として取り入れる方が増えています。
エステサロンと美容医療の施術の違いを徹底解説
エステサロンと美容医療は、どちらも「美」を目的としていますが、アプローチ方法・施術目的・効果の出方・リスク管理が大きく異なります。
この違いを正しく理解することで、お客様に適切な提案ができ、サロンの信頼度も高まります。
1. 施術の目的とアプローチ
美容医療:
医師や看護師が医療行為として行い、短期間で結果を出すことを目的とします。
ヒアルロン酸注入やHIFUなど、特定の悩みをピンポイントで改善する施術が中心です。
エステサロン:
外面・内面・精神面から総合的にアプローチし、肌と体の土台を整える長期的ケアが目的です。
手技や美容機器を使い、血流・リンパ・筋肉バランスを改善しながら、美容医療の効果をサポートする役割も担います。
2. 効果の出方と持続性
美容医療:
効果は即効性があり、1回の施術で変化を感じやすい反面、持続期間は施術内容や個人差により数か月〜半年程度が一般的です。
エステサロン:
効果は緩やかですが、定期的な施術と生活習慣改善で持続性の高い美しさを保つことができます。
また、肌質改善や体質改善のベース作りにもつながります。
3. リスクとダウンタイム
美容医療:
医療行為であるため、内出血・腫れ・赤み・痛みなどのリスクやダウンタイムが発生する場合があります。
エステサロン:
基本的にダウンタイムがなく、安全性が高いのが特徴です。
ただし、肌状態や体調に合わせた施術選択が必要です。
4. 提供する価値の違い
美容医療:
「結果重視」で特定の悩みを短期間で解決する
エステサロン:
「継続ケアと癒し」で美しさを長く維持し、心身のリフレッシュと自己肯定感の向上も提供する
まとめ
美容医療とエステサロンは、どちらが優れているというものではなく、役割と目的が異なります。
エステサロンは、美容医療の効果を最大限に生かし、持続性を高めるためのパートナー的存在であり、お客様の「美容生活全体」をサポートする立場にあります。
では、そんな時代にエステサロンはどう生き残り、どう差別化していけばいいのでしょうか?
その答えは、意外にも新しいものを追い求めることではありません。
むしろ、エステサロンの原点回帰です。
エステティックの本質に立ち返り、美容医療では提供できないエステティシャンの強みを再確認することが、これからの生き残り戦略です。
エステサロンの武器は、ズバリ
「信頼関係を築き、継続的にケアを提供すること」
そして「心身への癒しを届けること」。
美容医療は即効性が魅力ですが、どうしても施術範囲は限定されます。
一方でエステサロンは、施術の結果を積み重ねながら、肌や体の基礎から美しさを育て、長期的な変化をサポートできます。
さらに、施術空間や会話、雰囲気といった「人と人との関わりの中で生まれる癒し」は、
美容医療では提供しきれない部分です。
お客様にとって、技術以上にその時間そのものが価値となります。
原点回帰とは、新しいメニューを増やすことではありません。
肌や体の基礎改善を目的とした施術に注力し、一時的な効果ではなく、長期的で持続可能な美しさを提供すること。
そして、お客様と長く伴走するパートナーとしてのポジションを確立することが、エステサロンが取るべき道です。